第1回 2020/7/4(土)
大変長らくお待たせいたしました。
去る7月4日、「くつきの森で森のカルテをつくろう」の、2020年度の活動がようやく始まりました。この日はあいにくの天気でしたが、7名の方にお越しいただきました。ありがとうございます。
今年度初回ということで、午前中は勉強会を実施。滋賀県立大学の籠谷先生に、1996年以来くつきの森で行っている森林調査と、昨年(2019年)学生さんたちが調査してまとめられたレポートについてお話をいただきました。昨年も調査されていた…なぜ私たちはお会いしてなかったんだろう…と思ったのですが、先生の調査活動は平日に行われていて、私たちの活動は土曜日に行っていた、だけの話のようです。納得。
くつきの森の中で、ある範囲の木々を伐採し、その隣接地と比較しながら、生態系の推移や物質循環について息長く進められてきた先生の森林調査と、私たちの森林調査(森のカルテづくり)には、同じ項目を調べているところもあれば、観点が違う調査のところもありました。何はともあれ四半世紀という期間で取られて、推移が分かるデータには重みがありました。
2000年以降に進行したナラ枯れ、マツ枯れによる植生の変容がシカの食害の影響を受けていて、現在の森林を構成している樹々の後継樹が育っていないというのはこれは衝撃的なお話でした。
私たちの活動を通じて、森林に関心を持ち、こうした状況を知ってくれる方がひとりでも増えて行って欲しいと願って止みません。
午後からは、いよいよ森に出て調査開始…と行きたかったのですが、天候が回復しなかったので止む無く屋外作業は中止し、代わりに、くつきの森の海老澤さんから今年度の計画についてお話をいただきました。
今年度は、主にくつきの森の東側を調べることになるそうです。
緊急事態宣言に伴うイベント自粛要請を受け、今年度の予定も4月5月と中止して実施期間が短くなっています。そのため、回数の追加、平日開催、開催時間帯の工夫などいろいろ知恵を絞って、森のカルテづくりのペースをなるべく落とさないようにしたいと考えています。
今後も新型コロナウィルス感染症の状況に左右されることは多々ありそうですが、こまめな情報発信で皆さんと状況を共有し、イベント等に参加いただけるようにしますので、どうかよろしくお願いします。
今回の参加者の皆さんでの記念撮影。
もちろん、ソーシャル・ディスタンスを意識して撮りました。
第2回 2020/9/12(土)
去る9月12日(土)に、「くつきの森で森ののカルテをつくろう」の2回目を実施しました。参加者は今回は2名だけでしたが、ご両人とも昨年度から何度もお越しいただいているリピーターの方です。
今年度の調査エリアは昨年度とは谷をはさんで反対側の「東山エリア」。Eさんの応急処置で復旧した橋を渡って向かいます。
午前中は、ヒノキとスギの人工林を1区画ずつ調べました。
今回は、カルテ作りチームの人数こそ少ないものの"ベテラン"ぞろい。作業はもう手慣れたものです。
一見、木と木の間隔はなかなか広いんじゃないの?と思ってしまいそうな感じがしますが、どの木も健全に高さと太さを保って育ってもらうためには、まだまだ木々の密度はあり過ぎるという判定結果が出ました。
これはクマが木の皮をはいだ跡。豪快に剥がされてしまっています。
午後からは、同じ東山エリアの中でも場所を変えて、カエデの森と呼ばれる場所へ。
自然林の中に、数種類のカエデが植林されていました。
ここでも今日は2区画を調査することができました。メンバーの人数からすると、かなり効率が良くなってきています。やはり回数を重ねてくると、段取りを身体が覚えてくれるのでしょうか。
…とは言っても、計算する際は、電卓は欠かせません。このあたりはスマホのキャリアによっては圏外だったりするのですが、スマホの電卓で計算したり方位や斜度を調べたり、ツールとして重宝します。ただし置き忘れには要注意。やらかしたら後が大変です。
作業終了。荷物は軽トラ(4WD)に積んで山を下りました。
こういうところを走る軽トラはホントカッコいいですね。若い頃はポルシェで高速をシャーッと走って行きたいと思っていた私ですが、最近は軽トラでこういうところをガンガン走ってみたいと思っています。
【おことわり】 第3回については、予定通り開催されましたがスケジュール上の都合で当プロジェクトのスタッフが参加していないためレポートはございません。ご容赦ください。